前回の投稿から、随分日が空いてしまった…
以前の投稿では、ダイブマスターへの道を綴っていたようだけれども。
現在では私はどういうわけかインストラクターになり、講習をしたり、ガイドをしたりもしている。
そんな中で、先日ふと思いついて家にあるフィンを並べてみたところ、結構枚数あるな…とおもい、そのそれぞれのフィンのことを改めてちょっと書いてみようという気になったのだった…

さて。
フィンについてのお話をする前提として。
フィンには、大きく分けてフルフットとストラップ、ラバーとプラの種類がある。
上の写真では左から1,3,7,8番目がストラップフィン。
1,2,3番目がプラフィン。プラスチックフィンね。
それぞれ色々長所短所あってざっくりな特徴として
フルフット | 足との一体感があって泳ぎやすい (と思う) | ドライスーツで履ける フィンは少ない | ||
ストラップ | 大きなブーツでも履ける | どうしてもちょっと かぱかぱする。。 |
プラスチック | 軽い(浮く・プラス浮力) |
ラバー(ゴム) | 重い(沈む・マイナス浮力) |
ざっくりな特徴ね。
この後お話しするそれぞれのフィンの特徴の前提としてです。
軽いと一番いいのは荷物が軽くなること。飛行機の重量制限は結構大きな問題だ。あと脱げちゃった、っていうときに水面に浮く(笑)
重くていいのは、中層で安全停止するときに姿勢が自然と座禅になれる。
どちらをとるかはそれぞれの好みで。
さてさて本題に入ろう。
上の写真に載ってるフィンと、そうでないフィンも実はあって…
写真に載っていないフィンは、ダイビング始める前にシュノーケルセットとか言って買ったショートフィン、それじゃいくらなんでもね、と買った普通の長さのフィン(2000円くらい)、そしてもうちょっとなんかましなの…と思って買ったTUSA LIBERATOR X(リベレーターテン)。
しかもヤフオク(笑)
安く買えたと思ってほくほくしてたけど、もともと結構安かった…
だけど、このLiberator X で、私は初めてフィンの違いで推進力ってこんなに変わるんだ!ということを知ることになった。
LIBERATOR X の良さは、まずは安さ、そして柔らかくて使いやすい。最近使っていないのでもうあんまり感覚を覚えていないのだけれど、2000円くらいのよくわからないフィンから履き替えたときには、キックした瞬間に「進んでるー!」って感じたものだった。
そこで私は、
・フィンによってこんなに違うんだ!!
ということに気が付いてしまった。
そこで、やはりもっといいフィンないのかな?とうずうずし始め、いろいろ調べて、どうせならぐいぐい進むのがいいよねぇ?ブーツ履いてるからストラップだなぁ、と、次に買ったのが GULL SUPER MEW XX(スーパーミューダブルエックス)だった。
写真の、右から2番目。
このフィンは、なかなか奥が深いフィンだなあと、つくづく思う。
しかし、推進力を求めて色々調べて調べて買ってみたのに、いざ実際使ってみると、あれ?LIBERATOR Xの方が進んでる感ある。
なんで?
ダメじゃん。
と、一度使うのをやめちゃったのだ。
そして次のフィンにあっさり浮気するわけだが、実はこの後スーパーミューの逆襲はしっかりあるのだ。
まずその浮気相手だが、これが左から三番目、マレス AVANTI QUATRO+(アヴァンティクアトロプラス)だ。
これはインパクトあった。
キックすると、ぐわっと顔に水が当たる。
おおおーすごいすごい、これだよこれ!てなって、私はここからしばらくマレス信者になってしまったのだ。浮気が本気になっちゃったのだ。
(マレスってなんかかっこいいしさ)
プラス浮力だから、安全停止の時に足を下に向けた姿勢をとるのにちょっとコツがいるのが玉に瑕だったかな。
実はこのフィン、買うときに某ダイビングショップに行って、
なんかスーパーミューって進まないんですよねー
なんて、言ってたのだ。
お店の人は、ちゃんと蹴れてないんじゃないですか?あんたの技術不足でしょ、という旨の主張で、もっと練習してから出直してきなと言われていたのだ。それでもなんだか我慢できなくて、やっぱり翌日買いに行っちゃったんだよね。そしたらのインパクト。
ほらー!やっぱりほらー!
なんて。
しかしここからがスーパーミューの逆襲。
せっかく買ったスーパーミュー。
全く使わないのももったいないし、なんとなくこの段階では、ドライはマレス、ウェットは…TUSA?というような状態だったのが、ドライの時期がおわってウェットになったときに改めてスーパーミューを履いてみたんだ。
そしたらどういうわけかこれがものすごく進むし、使いやすい。
なんで?
あ・要するにおれが下手だったってことか。
堅いフィンを使って一冬越したことで、フィンキックがうまくなってたのかな??
そういう意味のいいフィン、ていうのもあるのかな?
しっかり蹴ればずいっと進むし、あおり足にもよし。着底しても折れる心配なし。ブーツでちょっとかぱかぱすることを除けば、全くもってオールラウンドに使えるフィンだということに改めて気が付いた。
ただ、逆に言えば、うまいことフィンで水をつかまないと、進まねーじゃん。ということになるのは実証済みだということだ。
ともあれ、改めてスーパーミューを見直すに至る。
そうするとそこで出てくる問題。
プラは浮く。ラバーは沈む。
ドライならラバージャネーノ??
ハイ、というわけで今はドライの時はスーパーミュー使ってることの方が多かったりします。
さて。
そんなある日、今度は、お友達ダイバーが、フルフットいいよ!なんて言うもんだからフルフットに興味を持ち始めちゃう。
そこで買ったのが、なんと写真左から2番目、マレス AVANTI QUATRO POWER(アヴァンティクアトロパワー)!
クアトロプラスからの流れでフルフットの選択肢は二つ。
より長いクアトロパワーか、ちょっと短いアヴァンティエクセル。
(マレス以外の選択ねーのかよという所は…ほら、マレス信者だったからさ)
悩んだ末に、いっとけー!と思い、この凶悪な長さのプラフィンに手を出した。
そしたらもうね、これがね。
すごいの。蹴った水が全部推進力に変わってるみたいな感覚。
KAILブーツでぎりぎり入るフットポケットなので、びっちり足にフィット。ほんとに足が長くなったみたいな感覚。キックといえば、この凶悪な長さのフィンに当たる体積の水を、ダイレクトに思いっきり蹴っ飛ばす!
どりゃー!ずりゃー!うおりゃー!みたいな。
そりゃもうもうすんごいすすむ。
そのかわりすぐ足つる。すぐに動けなくなる(笑)
足つっても、フィン自体が固いので、あおりあしで楽しててもこれが結構進むのね。そういう意味ではオールラウンド…といえなくもない…かな。なので普段は、こんなにイキったフィン履いてるくせに、平常時はゆったり温存。ここぞという瞬間だけ、本気出す!っていうスタイルだった。(そんですぐ足つる)
それはそれで全然よかったのだが、ある時粟国で、ちょーしこいて序盤でダッシュしてしまい、足を使い果たしエア切れになるという屈辱の失態を犯すのだこれが。
そしてその屈辱からの流れで買ったのが、出ました、GULL BARRACUDA (バラクーダ)!
粟国の屈辱から帰京、すぐにおなじみの神子元のお店に予約をし、バラクーダかしてください!!
と、連絡をして、初めて実際に使ってみたのだが、これが全くもって異世界だった。
これが足ヒレか!
初めて手に取った瞬間は、え、こんなに柔らかくて大丈夫?ホントに進むの?うそでしょ、実はみんなすんごい頑張ってんでしょ?と思ったのだけど、水に入ってヒト蹴り
なんじゃこりゃー!
全然力入れてないのににょんにょんすすむ!
楽するときは足首の先だけでぴろぴろしてるだけで結構すいすい進むし、本気の時は足全体をしならせるとびゅんびゅんすすむ!
これが足ヒレだ…マレスのフィンは、「板」だった。
フィンを貸してくれたお店の方々も、いいでしょこれー!と。
プロかスタンダードかで激しく悩んだのだが、ここまでフィンは硬さがすべてとおもっていた私は、しなやかさにも力があることを思い知り、実際にお店でプロを手に取ってぷにょんぷにょんと振ってみたところ、その感覚はスーパーミューに近かったので、これはやはり、スタンダードにしておこう、ということになった。
唯一感じている弱点は、柔らかすぎてあおり足でまったく進まないことかな…
もう一つのバラクーダの良さは、クアトロパワーがプラフィンだったこと。この辺のフィンを使うときはたいていドリフト。中層で安全停止するので、足元が重たい方が楽ちん。クアトロの時は安全停止ではたいてい横に寝っ転がってたね。
さて、そのほかのフィン。
しばらくマレス信者を続けていたころ、そういえばスーパーミューのフルフットもってないな、とおもい、何気なく買ったのが、写真右から3番目(と、4番目のは後から買ったブーツ用)。GULL SUPER MEW(スーパーミュー)。
特にその時は困ってもいなかったし、何の気なしに入手してみたのだったが、これまたびっくり。
このフィンこそ、足になじむフィンだ!
何しろ扱いやすい。
強めに水をつかめばグイっと進むし、あおり足でもしっかり粘ってくれる。フルフットなのでしっかり足に吸い付いてくれて後ろに進みたいときだって思いのまま。
着底しちゃったってゴムだから折れる心配もなし。
それなりに重さがあるから安全停止の時も自然と足が下に降りてくれて楽ちん。
オールラウンドに使える!
オールラウンドに使える、といったけどあえての弱点は、厚底のブーツが履けない。(足の小さい女性で、大き目サイズのフィンならいけるんだけど)
そうすると、磯を歩くときに、足裏が痛い。
まぁ、ビーサン履いてEN口まで行って、ビーサンBCに引っ掛けて潜ればいい話なんですけど。
さてそれ以外のフィン。
一番左のは、MARES X-STREME(エクストリーム)
これは、どうにも不器用でうまいことフィンキックができない相方にプレゼントしたものだ。
上手にキックしようなんて考えなくていい。じたばたしてれば前に進む。そんなフィン。
しかし、マクロ撮影で着底したり、ちょっと後ろに進みたいとか、そんなのはお門違い。足を動かせば前に進む。他に何がいるの?っていうフィン。とても軽いので、旅行にもっていくときも重さが気にならないのがグッド。
一番右、GULL MANTIS DRY FIN(マンティスドライフィン)
これは、ドライフィンと謳うだけあって、何がいいってアンクルウェイト要らんよね、ってくらい重い。
(もっとも私はプラフィンでもアンクルしてないけど)
ドライで足が浮きがち、という人には一つの選択肢としてアリ!
フィンとしては、固めの作りで、推進力、っていう感じではないかなー
ちなみにGULL では、スーパーミューダブルエックスにも、ドライ用、という重ためのフィンがあったりする。
他にも試してみたいフィンはいっぱいあって。
ジェットフィンとか、バイオフィンとか。
ワープとバラクーダのプロは興味あるなー。
あとはロングカーボン。楽そうだよねー。
多分、傾向としてはプラフィンは軽いから、旅行向き。着底はしちゃダメ(折れるよ)。やわらかめのプラフィンなんかはいいのかも。
重さが気にならないなら、ラバーフィンはオールラウンドに使える。旅行に行ってボートでエントリーなら裸足で履くフルフットが気持ちいい。
結論。
マレス信者どこ行ったんだというくらい今は、
GULL のラバーフィンに落ち着いてしまっている。
通常ボートではスーパーミュー。ほんとにはだしの時はLサイズ(オレンジ)。ソックス履くときはLLサイズ(黄色)。ほんとは裸で潜りたい私としてはその違いはちょっとあるのだ。
ぶん流れの本気ドリフトは、バラクーダ。
ドライの時はスーパーミューダブルエックスか、クアトロプラス。
この白いのは何かかっこよくて好きなんよね。
選ぶ基準としては、潜るポイントの状況。
ポイントまで磯を歩くのなら裸足ではけがをするからブーツ、ならばスーパーミューダブルエックスかクアトロプラスのストラップ。
バラクーダを選ばない理由は、重さと長さ。だから普段はノーマルのスーパーミュー。
それでも流れのあるドリフトの時にはその重さと長さを押してでもバラクーダはもっていく価値があると思う。
長さが気にならなければ、ビーチでも快適に使える、いいフィンだと思う。しかしたまに、クアトロパワーの凶悪な推進力に酔いしれたいときもたまにある(笑)
すっかり忘れてたけど以前にも同じような記事を書いていた。
ダイビング用フィンについて
けど、この時はバラクーダを素人さんお断りなんて書いてるんだなー
いや、嘘はいかんね。
バラクーダは誰でも快適に潜れるいいフィンだと思う。
まぁ、はしご上るときちょっと大変だけど。脱いじゃえば一緒だしね。
この記事の後で、バラクーダと、スーパーミューを使ったのだな。どちらもとってもいいフィンです。
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