実際に受けてみたダイブマスター講習

 さて、いよいよエントリー。
 上手にフィンをはいてもらうのにもタイミングやコツがある。
 個人的にこれまでの経験があることとはいえ、ここはインストラクターさんの方針に従いつつゲストのサポートをしなければならない。

 みんなビーチからのエントリーに慣れておらず四苦八苦。
 しかも数日前まで猛威を振るっていた台風の影響がまだ残っており結構なうねりも入っている。しかし意外にほぼ未経験の子供たちの方が、適応は早い。なんだかんだ言いながらも兄弟二人とも波に流され翻弄されつつも付いてきてくれる。

 さて、じゃぁ私はといえば、1年以上前に1度潜っただけの場所をガイドする、しかもその時は講習。ほとんど地形も覚えていないという状況でガイドのまねごとをしなければならない。(しかもお父さんはダイブマスターの資格保持者…)
 こんな日に当たってしまったゲストの方々に申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、幸か不幸か、普段日本で潜らない方々なので逆に物珍しさはあったようで、小さなウミウシや、我々伊豆ダイバーにとってはおなじみのお魚さんたちでも楽しんでくれているようだった。

 2本目はお父さんと子供たちだけでのダイビングに。
 やはり透明度は5mほど。慣れない地形の海をガイド。。インストラクターさんは私もまとめて指導しなければならないからとても大変そう。。
 ゲストさんにこの人大丈夫かなと思われないように必死で気を配る。
 時々ウミウシを見つけて教えてあげたり。

 そして無事エグジット。

 我々にとってはいつものウミウシ、いつものおさかな。

 けれどもゲストさんたちにとっては初めて見るウミウシ、初めて見るおさかな。

 あの魚はなんていう魚で…横縞が何本だから…などとご家族の楽しい会話を眺めつつ楽しくログ付けをして、お帰りいただいた。

ダイブマスターは、サービスマン

 ダイビングは、こと楽しみ方においては「こうでなければならない」という決まりはない。
 どのような楽しみ方であっても楽しければその日一日に価値が生まれる。
 ダイブマスターやインストラクターがガイドとしてゲストを受け入れたならば、その一日を価値あるものにするために最大の努力をするべきだし、ダイブマスターとしてインストラクターのアシスタントという位置ならインストラクターも含め全員が楽しい一日を過ごせるように気配りしなければならない。
 今日は楽しかったね、すごかったね!といって帰っていただくこと、それがダイビングサービスのお仕事であり、ありがとうございましたといっていただけることが、この仕事の醍醐味だなと感じた。
 もちろんポジティブなことばかりで物事が進行するわけではないだろうけれども…

 この日来てくれた家族の一日も、よいものであってくれたことを祈るばかりだ。