日本屈指のドリフトポイント神子元の洗礼

 前回の続き

 やっと潜行できたと思ったら、相方と、もうひとりの仲間がどうしてもおりてこれない。
 ガイドさんも、流石に3人は無理!一旦上がってウェイトつけて潜り直しましょう!
 と、一度ボートにあがり、ウェイトつけ直して再度潜行。

 一応、わし潜れたんだけどな…と思いつつ…

 でも、それでも相方が軽かったときに引っ張れないとフォローしづらいので、少し重めにウェイトを足し、再度潜行。
 今度は問題なし。
 お騒がせしました…

 さて、1本目、とにかく流れが強い。速い。
 目的のポイントへは、泳ぐとエアを無駄に消費してしまうので、泳がずに海底を手で伝うよう指示がでた。確かに、こりゃなかなかの流れだ。
 つい先週行った古宇利島の流れよりも圧倒的に速い。
 岩の影に隠れながらしばらく待つも、不発。
 時間も短めのダイブとなってしまった。

 インターバルは船上にて。
 風が程よく気持ちいい。
 波もだんだん落ち着いてきた。
 そうだ、来るときに買った歌舞伎揚を食べよう、と思って防水バッグから出してたじろぐ。
 強!にんにく!
 と、でかでかと書いてある。

 なんでこんなもん買っちゃったかな…自分…

 とりあえず開けて食べると、これがもうほんとに生にんにくかじってる味。本来ならその再現性を褒め称えるべきではあるが、このあとの2本めが怖い…
 道連れを増やそうと色んな人に勧めてみるが、案の定誰一人手を出さない(笑)
 まぁ、そりゃそうだろう。
 結局一人で完食。大丈夫かな…いや、死にはしないから大丈夫だ。

 2本目。
 こちらもなかなかの流れ。
 一旦海底の根に捕まって集合し、無減圧潜水時間が10分になったら諦めて浮上という計画。
 今回は問題なくエントリーして海底の根に捕まる。
 油断すれば潮の流れでマスクまで持っていかれそうになる勢いだけれど、全員でまずは岩陰に隠れて機会を伺っている。

 他のメンバーの吐き出した気泡が真横に流れていく。
 私の気泡だけはきっとものすごくにんにくくさいだろう。
 船長が匂いに気がつくだろうか。
 魚も、にんにくの臭いを避けてか岩の陰からうっかりはみ出したものはあっという間に潮流に流されていく。
 そうか、こうやって南方から流されてくるのが季節来遊魚ということなのだなー、、にんにくを避けてかどうかはさておいて。
 そんな事を考えながら泡やら飛ばされていく魚やらを観察していると、そこそこ深度があったこともあり、無減圧限界もあっという間に残り10分になってしまった。

 残念、時間切れということで根から離れて流れに乗りながら浮上。

 船上に上がると、この2本めで待っていたそのすぐ近くで別のチームのガイドさんがハンマーの影を見たという。

 うーん、このまま終わるのは寂しい。
 今回も不発となるか…?

 けれどもこのとき、私の中でこれで終わるというイメージは不思議とまったくなかったのだった。

 つづきますよ