前回の続き
さて、なんだかんだやりながらも、講習は進んでいく。
私は、相方が一度速めの浮上をしたのを覚えているが、その時相方は水面でおにーさんにしこたま怒られたりしていたらしい。急浮上がどれだけ危険なことなのか、講習で教えたはずだ、絶対に勝手な行動をとってはいけない、と。
いい年をして本気で怒られることもほとんどなくなった我々だが、これで相方は急浮上が本当に危険なのだということをやっと認識したらしい。
ある意味、いい経験だったわけで、チャラそうなおにーさんはああ見えて意外にしっかりしたインストラクターさんだったということにもなる。
確かに、後から思えば、一緒になったアドバンス講習の方々が、オープンウォーターをとってからフィリピンや沖縄で潜ってはいたけど、機材のセッティングもよく覚えてないな、、、という雰囲気だった時に、フィリピンのお姫様ダイビングですねー、よくないですねー、と言っていたのを覚えている。
自分の命を預ける機材ですからねー
ちゃんと自分でセッティングできた方がいいですよねー
と。
その時は全く持ってその通りだなと思って私は一生懸命覚えようとはしたが、現実はそのあとも順番間違える、手順忘れるは日常で、たまにはバルブを開け忘れて船の上で開けてもらったり、開け忘れたままどぶんといって焦ったなんて言うこともあった。
その後フィリピンにもいってみたが、やはりお姫様御殿様ダイビングはとっても楽ちんではあるが、いつもこれではあかんよな、と思うのであった。
◆◆◆
しこたま怒られて相方が精神的にもよれよれになってしまい、水面でもう死ぬ…みたいな顔をしていると、おにーさんが、じゃぁ一旦上がりましょうか、と言ってくれた。
ちょうどいいからケンジさんは疲労ダイバーの曳行をしましょう。
とにこやかに言う。
ああ、相方を引っ張って帰ればいいのね、と、岸まで相方を引っ張っていく。
これも一応講習の一つなんだなぁ、、、と思いながら。
曳行される方はいいんか?とも思いつつ。
しかしこのままでは相方だけライセンス認証されないのではないだろうかという不安も出てくる。
私…大丈夫ですか?
と相方が心配そうにおにーさんに聞くと、そうですねー、ケンジさんと一緒なら大丈夫でしょう!ということで合格を頂くに至ったのであった。
◆◆◆
そして無事にライセンス保持者となった私たち二人は、一緒になった別のお二人と初めてのファンダイビングに向かった。
ビーチをばしゃばしゃあるき、青い海と青い空の間でぽちゃんとつかる。
もう怒られなくていいんだなーと、相方もものすごく気分が楽になっている様子。
南国特有の色とりどりのお魚たち。
始めてみるウツボや、ただのヒトデでさえも愛らしく見える。
そんな中、前方からなにやら優雅に泳いでくる。
カメだ!
カメだー!!
しゃ、写真写真ー!
講習の間は禁止されていたカメラも解禁されていたのでぱしゃぱしゃ!
始めてみるカメさんはなんだかとってもぶすっとして見えたのだが(笑)、全員の顔をじろりじろりとにらんでから、悠然と去っていった。
うわー、ほんとにいるんだな…と呆然としつつ、またおにーさんについていく。
この時の海と、カメさんのおかげで、相方もダイビングにはまることになり、これまで続けていられることになったのだと思うと、このカメさんには感謝ひとしおだ。
◆◆◆
こうして、無事に相方ともどもダイバーの仲間入りを果たし、今でも楽しく「安く!」潜っているというわけだ!
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