ライセンスを取るのに、コツも何も実際はあったものではない。

人それぞれ意気込みも状況も得意不得意も違うのだから、全員に共通のコツがあるとしたら、海が好きであること、くらいではなかろうか。

人によっては、ノリと勢いと、できる!っていう気持ちでいける!ということもあれば、考えて理屈で理解する人もいるだろうし、騙された…騙された…と思いながら必死でとる人もいるだろう。相方はなんだかんだ言いながら負けず嫌いなのでやるとなると意外に頑固で何が何でもやる人だ。そんなタイプもいるだろう。

 

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PADIの規定するところでは、オープンウォーターを認定するには以下の項目を習得しなければならないそうだ。

  • 器材のセットアップ、装着と調節
  • 水面でBCDへの給気/排気
  • レギュレーター・クリア-息を吐く方法とパージ・ボタンを使う方法
  • レギュレーター・リカバリー-アームスイープ法とリーチ法
  • 少し水の入ったマスクのクリア
  • バックアップ空気源の使用
  • 潜降と圧平衡
  • ハンド・シグナル
  • 水中を泳ぐ
  • ゲージの使い方と残圧のチェック
  • 浮上
  • 水面でBCDに給気(オーラル)
  • プレダイブ・セーフティ・チェック(BWRAF)
  • ディープ・ウォーター・エントリー
  • 適切なウエイト量とウエイトのチェック
  • スノーケル/レギュレーター交換
  • 水面を泳ぐ-正しい水面習慣
  • ファイブ・ポイント潜降
  • 中性浮力-パワー・インフレーター
  • 全部に水の入ったマスクのクリア
  • マスクの脱着とクリア
  • マスクなし呼吸
  • エアが少なくなってきたときの対応
  • エア・マネージメント-20bar/300psiの誤差の範囲
  • こむらがえりの除去-自分とバディ
  • 視標を使った潜降
  • ホバリング-30秒間
  • 水平に泳ぐ-トリムの調整
  • バックアップ空気源の使用
  • バックアップ空気源を使って泳ぐ/浮上する
  • コントロールされた緊急スイミング・アセント
  • バディとウエイト量とトリムの調整
  • 疲労ダイバー曳行-25メートル/ヤード
  • スクーバ・キットの脱着-水面
  • 潜降-着底しない
  • 傷つきやすい水底の上を泳ぐ
  • オーラル・インフレーションでホバリング-1分間
  • フリーフロー・レギュレーターからの呼吸
  • マスクなしで泳ぐ
  • 水底に着かないで浮上
  • スクーバ・キットの脱着-水中
  • ウエイトの脱着-水中
  • エキジット
  • スキン・ダイビング・スキル
  • インフレーター・ホースの取り外し
  • 緩んだシリンダー・バンドの締め直し
  • ウエイトの脱着-水面
  • エマージェンシー・ウエイト・ドロップ

 

そしてまた

上記スキルに加え、プール(限定水域)ダイブでは、泳力の確認も行なわれます。
  • 足がつかない深さの水域の水面で、水泳具を使用せずに10分以上落ち着いて浮いていられる能力。
  • 水泳具を使用せずに200メートル/200ヤードの距離をノンストップで泳ぐか、またはマスク、フィン、スノーケルを使用して300メートル/300ヤードを泳げるという能力。

 

う、、、うそでしょ??

これだったら泳げない人は絶対にライセンス取れないじゃん。

泳げなくてもライセンスが取れます!と謳っているウェブ上の広告はいったいなんだ。

 

なんだか見ているだけでもう不合格といわれている気分になる。

読者のほとんどはさらーっとスクロールしたに違いない。

 

この項目は、実際にPADIのサイトからコピペしたので、間違いないわけだが、本当にこれが全て習得できなければ認定しないというのであれば、世のダイバー人口は今の100分の1くらいになるんじゃないだろうか。いや…もっと減るかもしれない。

初めてでこんなに多くのことを要求してもできないのが自然だ。

 

現実的にグアムでおにーさんが教えてくれたのは、本当にこれだけは知っておかなければいけないこと、という感じだった。

最初は足の着くところで説明と実践、それからまた浮袋に空気を入れて足のつかないところでの説明と実践。

では次はこれをやってみましょう、こういう理屈でこういう風にします、はい、どうぞ。と、言われながらいろいろやっているうちに、いつのまにか項目を満たしていたようで、複合的に自然と実践できていたようだ。

後から見てみると、この中の8割くらいは習得した記憶がある。

 

中には、例えば…

右足を前に出し、地面におろして右足に体重を移動し、次に左足を前に出し、地面におろして体重を移動できるようになること。

はい、やってみましょう。

=「歩けること」なので実践すればほんの一瞬だ。

そういうような項目もあり、2日間の海洋実習の中で思ったよりもたくさんのことを習得させられていたみたいだ。

 

人にもよるだろうが、私の場合は怖いいやだと感じることは全くなかった。

 

結論から言えば、ダイビングのライセンスは、本当にたいてい誰でもとれるモノなのだなと感じている。

物理的に無理な人も中にはいるかもしれないけれど、ごく一般的な生活、空気を吸って自分なりに日常の生活をしている人ならば、まぁまず間違いなく取れるのではないかと思う。

実際に、泳げもしない、顔を水につけることもできなかった相方がライセンスを取ったのを見ていてそう思った。

 

つまり、はっきり思うことを言ってしまえば、実際はできなくないのに、できないと自らフタをしてしまう人以外は、ダイビングのライセンスは確実にとれるんではないかなと、思う。

ダイビングは、始める前はいったい何が起こるのか、何をすればいいのか、どんなことができなければいけないのか…ほとんどわからない世界だろう。

当然だ。

水の中で生活したことのある人なんていない。

水の中で自分がどうなるのかなんて想像がつく方が不思議だ。

そんな、今までの自分の世界を完全に脱却するスポーツ、それがダイビングなのだ。

やったことないからできない。(私の一番嫌いなセリフだが)

という人には、もしかしたらできない人も多いかもしれない。

やったことないからやってみたい

という人は、きっとなんの違和感もなく、え?これでいいの?と、すんなりとれてしまうだろう。

ダイビングとは、自分の世界を広げてくれるもの。

やったことないからやってみたい。

そう思ったのであればもう今すぐライセンスを取りに行ってみるのがいいだろう。

 

 

 

余談ではあるが、項目中、通常のライセンス講習であればもしかしたら習得できないかもしれない「疲労ダイバーの曳行」を私は運よく初めての講習で習得できた。

相方に感謝。